おばあちゃんとおかいもの

絶対と言っていいほど、買ってくれたよね。
私が欲しいといったもの。

 

「ばあちゃん、お金ないんだから…」

 

そう言いながらも、一度私が欲しいと言ったら、
後で「やっぱりいいよ、いらないよ」と断っても、さっさとレジに持って行っちゃう。

 

私が買ってもらうものといえば、安価なおやつ。
それも高くても、せいぜい100円か200円程度。

あまり高いものはねだらなかった。
ねだろうとも思わなかった。

高いものがほしいとも思わなかった。

 

こども心にも遠慮していた、なんて大それたものじゃない。
高いものに、私の欲しいものがなかっただけ。

 

おばあちゃんとの買い物は、とても楽しかったよ。
何かを買ってもらえるからじゃない。

 

今思えば、おばあちゃんとの買い物が楽しかったわけじゃなく、
おばあちゃんと一緒にいれることが楽しかった
のかもしれないけどね。

 

だって、理由が思い当たらない。


どうしておばあちゃんとの買い物が楽しかったのか聞かれても、何も答えられない。

 

いつもいつも、何かを買ってもらっていたわけじゃないし。

 

欲しいものがなくても、おばあちゃんが買い物に行くと言えば、後を追いかけた。
おばあちゃんが買うものに魅力があったわけじゃない。

魅力があったとすれば、物じゃなくて、おばあちゃんと過ごす時間。

 

今でも一緒に行ったお店に行くと、思い出すよ。
おばあちゃんと選んだ仏様のお菓子。

 

お下がりになったものを、二人でよく食べたよね。
キレイだねって、眺めたお花。

お花の名前はおばあちゃんが教えてくれた。

 

おばあちゃんとの買い物は、どうしてあんなに楽しかったんだろう。
言葉では上手に言えないけれど、私の中ではしっかりわかってる。